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本好きの妙な日常話の数々です
暁懐中日記
「あ、そう言えば御坂翁の喫茶店で時給1500円でバイト募集中だよ」
「…その時給大丈夫なのか」

言外に危険な店では無いのかと問うゆえの心配を、柚は笑い飛ばした。

「まさか!!怪しい処かむしろ逆よ、逆。とーっても採用条件が厳しいだけ。でも月なら大丈夫だと思うわよ」
「何か今一訊くの不安何だけど、条件って何?」
「ずばり“大和撫子である事”」

四人の間に沈黙の天使が亜音速で降臨した。

「本当に大丈夫かその店」
「だ、か、ら!本気で変な意味じゃないのよ!御坂翁は好い人だけど身内には凄く厳しいの。今時“すべての人は紳士及び淑女たれ”ってのが口癖でね」

だから求人条件も、紅茶の完璧に淹れられる女性って他にも御坂翁の御目がねに叶う人じゃなきゃどんな人でも門前払い。笑顔で『お客様としてのご来店をお待ちしております』の一言で終わりよ。
一息で言いのけると素晴らしく煌めかしい笑顔を月に向けた。

「ね、月なら絶対大丈夫でしょ」
「まあ月ならな」
「何で本人差し置いて断言するかな」

即答した翔を睨めつけ、月は柳眉を下げた。

「でも私、正式な紅茶の淹れ方何て知らないわよ?」
「その辺は私が母上に頼んであげましょう」

改めて言うまでもなく、柚の母親は日英ハーフである。

「麗おば様なら完璧に教えてくれるだろうけど。何か企んでない?柚」
「もちろん!!」
「…そこは全力で肯定していいのか?」
「普通はいかんだろ。だけどまあ柚だからな」
「外野うるさいわよ!」
「で?何でそんなに柚は私にその喫茶店のバイトを勧めるわけ」
「うっふふー」
「やっぱいい今ので全力で理由聞きたくなくなったじゃあ柚、私別のバイト探すから」
「ここまで聞いたんなら訊いてよ!」

両手で耳を塞ぎ求人誌へと視線を落とす月の肩を掴み柚は揺さぶった。

「あー、あー、あー聞こえない。聞こえない」
「月の馬鹿っ」

そんな二人のじゃれあいをつくづく眺めた後、翔は問いかけた。

「んで?理由って」
「翔!あんた裏切り者!」
「別に味方になった覚え無いだろ?そこまで聞いたなら俺も気になるし。な、ゆえ」
「俺にふるな」

抵抗する月と無関係を貫くゆえの態度にめげず、結果的に味方に着いた翔に向かって柚は宣言した。

「うちの店が新しい制服のデザイン頼まれたからよ!!」

月は無表情になった。

「やっぱ聞くんじゃ無かった…十中八九またフリル服着せられる事わかってて誰が選ぶかっ」
「大丈夫!月に着せるならメイド服系でなく、ギャルソン系にするし!月って仕えるメイドより仕えられる令嬢よねっ」

うきうきと語りだす金髪の少女と眼を合わせ無いよう、半ば意地で月は求人誌に視線を固定した。




何だかんだで、月は御坂翁の喫茶店でバイトする事になります。



夏服はパフスリーブのブラウスに黒ネクタイ。黒の膝丈のタイトスカートに腰下の白のフリルエプロン。靴は革のローファー。
冬服は着物にフリルエプロン。

作者趣味全開ですが何か(笑顔)

前記事のブログ拍手にパチパチ下さった方!!ありがとうございますっ 反応頂けると嬉しいです~
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ハロウィン前夜譚
2010-10-30-Sat  CATEGORY: 『読者置いてきぼりシリーズ』
誰が誰だか地の分書くのがめんどうで色分けしたら更にめんどくなったの実例。
赤=月、青=ゆえ、緑=翔、黄=柚、紫=花火 です。
数年後の夢想四人+一人


「翔、『Cotoha』でハロウィンパーティーやるんだけど、『クランベリー』三十一日貸切頼める?」

「ああ、今なら大丈夫だぞ。で? 月は何の仮装すんだ?」

「雪女」

「うわぁ…ぴったり…」


「『服贈るから花魁衣装キテ!!』って叫ぶイタリア男がいるけどねー」

「本当ですか花火先輩!! あれでしょ?! ショーで着た奴!! すごく見たい超見たい月!!」

「嫌よ。何で立食パーティーのホスト側なのに舞台衣装ばりの衣装なわけ」

「だって!!すっごい見たかったのに!!外八文字まで習ったんでしょー?!」

「……あれは…あの阿呆デザイナーの意向で…社長や明日華さんまでまで面白がるし…」

「外八文字って何だ?」

「花魁が道中で歩くの歩き方。花魁ってのは江戸時代の最高峰の遊女の事な」

「呼んでくれれば行ったのに!!」

「もうそれ何処じゃない強行スケジュールだったのよ。日本とイタリア一週間単位で往復するし。っていうか最初断ったのに!花火先輩が教師役の充てまで見つけてくるから!!」

「うふふ~ 茶道家元候補だった奴の人脈舐めるんじゃないってこと~。でもすごいよ月は。あのおっしょさんが筋がいいって言ってた人初めて聞いたし。てか人誉めるの僕始めて聞いたし」

「私は聞いてないですよ。『あともうちーと若ぅかったら私が舞妓にして一本立ちさせたんにぃ』とは言われましたけどね」

「それが誉め言葉だよ、すでに」

「話脱線しまくってますけどね。で?花火先輩は何の衣装?」

「んー?僕は般若」

「また微妙な役を…」

「いいよね!葵上!!」

「ゆえは?」

「は?」

「ああ、ゆえは中華系で行こうかと。やっぱりそっちの血を引いてるだけあって前着せたらすごく良かったし!」

「何年か前の狼男も面白かったけどね、ホストみたいで」

「あれはホストだったな」

「で、翔は?」

「はぁ?!俺も参加なのか?!聞いてないぞ?!」

「翔は武将!!やっぱり外国人受けするのは押さえないと!!」

「聞けよ!!」

「柚君、翔君は落ち武者が良いらしいよ~」

「違いますから!!!」

「だって西洋風なのは他のCotohaメンバーがやるだろうし、似合うだろうし…やっぱり日本勢は東洋系でまとめようかと」

「配役に不満があるとかじゃねーんだけど!!」

「俺らも…強制参加?」

「強引勧誘ぐらい。もてなし側のスタッフの手が足りないからできれば助太刀してほしいの。おそらく社長から金一封でるはず」

「最初からアルバイトの誘いって言ってくれ…」


数年たっても四人の関係は変わらないもようです。
『Cotoha』はフェアトレードの会社名です。『ウェルブム』から定変更しました。まだ人物紹介も小説内でもいじれてないけど!!だって『ウェルブム』って言いにくいし覚えにくい…私が。
意味は同じです。ウェルブムはラテン語で「言葉」の意味。

追記
会社名間違っていたので修正しました『Cocochi』じゃなく『Cotoha』です。コトハです。言葉です。
前記は私が大ファンのコサージュ店ダ!!!!
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ゆえはひたすら沈黙していた。
郵便受けの中には大量の青と赤で縁取りされた手紙が多数。
差出人はイタリア、イギリス、ベトナム、とバライティに飛んでいる。
しかも、本来の宛名は隣人の少女のものである。
そのまま部屋へととって返し、隣家の呼び鈴を押した。

「…何か大量にエアメールが入ってたんだけど」
「あら、間違ってたの?ありがとう」

当たり前のように礼をいい受けとる少女に、無表情のしたでゆえは驚きを浮かべた。


明日華さんに会社のパーティーで芸者役としてつれ回されたせいで世界各国にペンフレンドがいる月さん。
特にイタリア勢は頻繁で、国際電話で日本語教えてくれといい、月に「料金全部そっち持ちなら」とバッサリ切られたのにもかかわらず、それでもいいと即答するくらいぞっこん。
最終的にスカイプで落ち着きました。

なので月さんはカタコトながら数ヵ国語が話せます。
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cafe 花鳥蝶月 「ミスマッチ」
2010-10-17-Sun  CATEGORY: 『読者置いてきぼりシリーズ』
「ねー、マスター」

「んー?」

「ここって純喫茶風Cafeじゃんねー」

「んー」

「外国製雑貨とかー、Cotohaのフェアトレード商品も扱ってるけどそれはそれで雰囲気あってかっこいいし」

「ん」

「あとやっぱりアンティークなテーブルや椅子もすごく素敵だし、妖精専用テーブルとかも暁らしいし。けどさぁ」

「ん?」

「何で片隅にインベーダーゲームの機械が置いてあるの…」

「それ、まだ動くのよ?」

「聞いてないよっ」



マスターと女子高生

マスターは珈琲煎れてたたから返事が片手間でした。
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カフェ花蝶風月
2010-10-01-Fri  CATEGORY: 『読者置いてきぼりシリーズ』
「こんにちは~。マスター、なにやってるのー」

「うーん、毒味?」

「えぇ?!」(ドン引き)

「ホントの毒じゃないわよ(苦笑) 古い茶葉があったから、新メニューの開発。
ミルクと組み合わせて美味しいフレバーティー探し」

「えー、っとそれはちょっと…ミルクにフレバーティーは喧嘩するんじゃない?」

「そうじゃない組み合わせを探してるの。ほらこれとか」

「ふーん?…あ、意外においしいかも。酸味があって。これ、なんの茶葉?」

「ルピシアのルイボスティーのブレンド」

「ぶっ」

「あ、そういえばあなたルイボスィー嫌いって言ってたかしら」


マスターと女子高生

この後マスターはひどいひどいと怒られます。ですが笑っていなされます。
女子高生はそのまま毒味に参加。大好きな紅茶タダのみできてちょっと幸せ。

ルピシアのルイボスティーはホントに旨いよ。ルイボスィー苦手な矢玉でもおいしく飲めます。
ちゃんとした商品名を載せたかったんだがサイトに載ってませんでしたorz
生産停止かなぁ(涙)
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