本好きの妙な日常話の数々です
暁懐中日記
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あじさゐとはんげさう
2008-07-04-Fri  CATEGORY: 小説。むしろネタ帖?
暑さから生まれた一品。
色っぽい文章を目指して。エセ文語風
舞台は暁の町。薄墨娘の祖母の春日さんです。




 むつと熱(いき)る風の手が、黒々と光る濡れた石畳の上を撫でる。
 涼みの風鈴の音にからころと下駄の音色が添い、紺紬に、朱の花文庫が揺れた。
 腕に抱く荷は更紗の風呂敷と、重たげに咲く紫陽花と可憐に撓う半夏至。
 娘の細腕では支ゑきれぬ枝は、ゆらゆら零れた。
 桐の下駄がからころと啼く。
 きれてしまつた氷砂糖。青々とした楠公梅。目に付ゐた異国の商品を扱う屋台で仕ひれた柘榴の紅茶は今度あの子に淹れてあげやうと。
 異国の友人を想ゐ、桜桃色の唇をほころんだ。
 しつとりと濡れた石畳、漆の下駄はからころろと啼く。
 ちらちらとのぞく白ゐ足首。湿気で色を濃くすた紅が甲に張り付いた。
 睫毛にまとわりつひた雫が、涙のやうに頬を伝う。
 吸ゐ込まれた襟が、ぽつりと滲み紺を濃くすた。
 髪を上げた項を、白ゐ喉を晒して空を見上げる。
 小指越しに見た空は、今にも泣き出しさうな鉛色。
 雨間を見て出かけたはづなのにと、娘の足は早くする。
 縋るようにかららころろと鳴き声が続ゐた。

微妙に改正(7,30) 文語率あつぷ
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